バンプオブチキン「supernova」とは?|壮大な世界観が光る名バラード
バンプオブチキン「supernova」は、2005年11月23日にリリースされた両A面シングル「supernova/カルマ」に収録された楽曲です。バンプオブチキンらしい優しさと宇宙的スケールを併せ持つこのバラードは、リリースから現在に至るまで多くのファンに愛され続けています。
タイトルの「supernova(スーパーノヴァ)」は、「超新星爆発」を意味する天文学の用語。恒星が最後を迎えるときに放つ強烈な光は、地球から何万光年も離れた場所から届くこともあり、“今見えている光”が“すでに存在しないもの”であるという儚い真理を含んでいます。
この壮大なテーマを、ボーカル・藤原基央の温かくも切実なメロディと、メンバー全員が参加したコーラスで表現したのが「supernova」です。サビではあえて言葉を排し、「ラララ」や「ヘイヘイヘイ」といったスキャットを使い、聴き手の感情に直接訴えかけてくる構成も印象的です。
リリース当初から「supernova」は単なるカップリングではなく、メンバーにとってもファンにとっても特別な意味を持つ一曲として受け止められてきました。ライブのアンコールで披露されることも多く、静かに、しかし強く心を打つ名バラードとして知られています。
「supernova」の歌詞に込められた意味を深掘り
「supernova」は、ただ美しいメロディに乗せたラブソングではありません。その歌詞には、藤原基央の哲学的な世界観と、“今この瞬間を生きること”への強いメッセージが込められています。
タイトルにもなっている「supernova(超新星)」は、遠い宇宙で星が寿命を迎えて爆発する現象です。その光は地球に届くまで何万年もかかり、私たちが目にしているときには、すでにその星は存在していないこともあるのです。これは、「見えているものが、本当はもう存在していない」という矛盾を象徴しています。
歌詞に登場する「思い出せるけど、本当に欲しいのは思い出じゃない。今なんだ」という一節は、まさにこの宇宙的な矛盾を、人間関係に置き換えたメッセージだと読み取れます。
大切な人を失ったあとに、その人の存在の大きさに気づく。でも、思い出で埋め尽くしても、本当に欲しいのは“その人が今ここにいてくれること”。そうした、切なくもリアルな感情が、「supernova」の根底に流れています。
また、歌詞の後半では言葉を極力使わず、コーラスとスキャットで感情を伝えるパートに移行します。ここにこそ、バンプオブチキンの「言葉を超えた表現力」が詰まっているといえるでしょう。
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バンプオブチキン「supernova」の考察:タイトルに込めた想いとは
▲超新星(supernova)の爆発を再現したイメージ|一瞬で放たれる永遠の光
※この画像は楽曲の世界観を表現したイメージです。実際の映像とは異なります。
「supernova」というタイトルには、藤原基央が長年温めてきた強い想いが込められています。彼は「天体観測」の制作当時から、いつかこのタイトルで楽曲を作りたいと考えていたと語っており、それだけでもこの曲が特別な存在であることが伺えます。
「supernova(超新星)」は、星が死ぬ瞬間に放つ壮絶な光。その強烈な輝きは遠く地球にまで届き、私たちがその光を見ている時、実際にはその星はもう存在していないという事実が含まれます。
この現象は、「見えているもの=今そこにある」とは限らないという、人の心や記憶の構造にも通じるテーマとして、歌詞全体に深く根付いています。
特に興味深いのは、サビで言葉を使わず、コーラスだけで感情を伝える構成です。藤原は「本当に伝えたい感情は、言葉では足りない」といった信念を持っており、それが形として表れたのがこの楽曲だと考察できます。
また、バンプオブチキンの代表作「天体観測」とのつながりも見逃せません。どちらも「星」「宇宙」といったモチーフを扱いながら、「すでに失われたものを見つめる視点」という共通のテーマを描いています。つまり「supernova」は、バンプの軌道(オービタル)を語る上で欠かせない、重要なピースなのです。
supernovaのMVロケ地と撮影秘話|六本木ヒルズでの感動演出
「supernova」のミュージックビデオ(MV)は、2005年10月14日に東京・六本木ヒルズのけやき坂広場で撮影されました。この撮影はシークレットイベントとして行われ、事前に応募したファンのみが招待されました。
撮影当日は、バンプオブチキンのメンバーがステージに立ち、集まったファンの前で「supernova」を演奏する様子が収められました。この演出により、楽曲の持つ「今この瞬間の大切さ」というテーマが、映像としても表現されています。
また、MVには「天体観測」のPVに出演した子役が再登場しており、過去の作品とのつながりを感じさせる演出も施されています。これにより、バンプオブチキンの楽曲が描く世界観の広がりを感じ取ることができます。
このMVは、YouTubeで公式に配信されています。ぜひ、映像とともに「supernova」の世界観を体感してみてください。
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supernovaはライブでも人気!アンコールでの演奏シーンを紹介
バンプオブチキンの「supernova」は、ライブでもファンから特別な想いを寄せられている楽曲です。特に印象的なのが、アンコール時に観客が自然発生的にこの曲のコーラスを合唱する光景です。
この曲のサビは言葉を排した「ラララ」「ヘイヘイヘイ」といったコーラスで構成されており、観客がそのフレーズを歌い始めることで、会場全体がひとつになる瞬間が生まれます。
最初はばらばらだった歌声が、お互いの声に耳を傾け、少しずつ重なっていき、やがて一体となって響く様子は、まさにバンプオブチキンが伝えようとしている“つながり”そのもの。
そして、観客の歌声がそろった瞬間に、メンバーが再登場する――この演出は、ファンの心に深く刻まれ、何度見ても感動してしまう名場面です。
藤原基央はライブで「supernova」の歌詞をアドリブで変えることもあり、「今日なんだ」「今なんだ」といった、その瞬間にしか聴けない言葉が重ねられることも。こうしたライブならではの“生きている音楽”が、「supernova」をさらに特別なものにしています。
静かに、でも確かに心をつかみ、観客全体をひとつにする力――それが「supernova」という楽曲の持つライブでの最大の魅力です。
【まとめ】バンプオブチキン「supernova」は歌詞とライブで輝く珠玉の一曲
バンプオブチキン「supernova」は、歌詞・音・映像・ライブすべてが融合した、心に深く響く一曲です。
歌詞には、「見えているものが本当はもう存在しない」という宇宙的なテーマを軸に、“思い出”ではなく“今”を大切に生きることの尊さが繊細に描かれています。その想いは、サビのコーラスによって、言葉を超えてリスナーの心に届けられます。
ミュージックビデオでは、六本木ヒルズでのシークレット撮影という特別な体験を通して、楽曲の世界観がリアルに映像化されました。そしてライブでは、ファンの歌声が「supernova」のコーラスとなり、アンコールでメンバーと響き合うという、音楽と人との奇跡のようなつながりが生まれます。
「supernova」は、ただ聴くだけの楽曲ではなく、心で受け取り、共に歌い、体験する楽曲です。
あなたもぜひ、その歌詞の意味を感じながら、MVやライブ映像、そしてアンコールの感動を味わってみてください。